hopperのメモ帳

勉強などする途中でのメモを置いてます。

【翻訳記事】ニューロダイバーシティ(神経多様性)についてあなたに知ってほしいこと

しばらく前にTwitterで見かけたこちらの動画の内容を、翻訳してご紹介します。
話者はアメリカの心理学者Devon MacEachronさん(Twitterアカウントもあった)
nowthisnews.com

自閉症ADHDのような神経学的な違いは、心の健康に関する医療モデルでは、機能不全や障害と考えられています。そうした神経学的に異なる精神を持つ人々が、自分自身として受け入れられるようにすることには、ほとんど関心が払われていません。
そうした人たちの強みを発見し、祝うことも。
そしてその違いを価値あるものと見る場所をこの社会の中に見いだすことも、関心が払われていません。

私たちが多様性ということを考えるときら多くの人は人種や性的志向を思い浮かべるでしょう。
でも、あなたがまだ知らないかもしれない別の種類の多様性があります。それがニューロダイバーシティ(神経多様性)です。
ニューロダイバーシティとは、人々の間にある神経学的なちがいをもっと認識し、敬意を払っていこうという考えです。

今こそ、この新しい社会運動、ニューロダイバーシティが発進する時だと私は信じています。
アメリカでは2~17歳の子どもの610万人がADHDと診断されています。そして59人に1人の子どもが自閉スペクトラム症と診断されています。

ニューロダイバーシティは、私たちの遺伝の、そして私たちの種としての進化の一部です。
自閉症ADHDの遺伝子は誤りではなく、ヒトゲノムの変異の結果であり、これまでに、そしてこれからも私たちの社会に強みをもたらしてきたものです。
ADHDと関連付けられている遺伝子の一つであるDRD4遺伝子は、新しいものを求める遺伝子として知られています。これは人の進化の舞台に、1万年以上前に登場しています。
自閉症と関連付けられている遺伝子も、1万年以上前にまで遡ります。
研究によるとこの自閉症と関連付けられている遺伝子の変異は、その並外れた記憶力や視覚・味覚・嗅覚の鋭敏さ、細部への観察眼、そして動物の行動など別の体系の理解力に優れていることのために、ヒトの進化の過程で正の選択を受けてきたのではないかと考えられています。
こうした特性は、現在もなお有利なものだからこそ、遺伝子プールに残っているのでしょう。

私は神経が異なる配線のされ方をしている子どもの親たちに助言する心理学者として、どちらの道が良いか選べることを伝えます。環境に合うよう子どもを変えようとするのか、それとも子どもに合うよう環境を変えようとするのか、と。
私達の世界には様々に異なる微細環境や「サブカルチャー」があります。
自閉症ADHDのある人にとって、自らのあり方で成功するということは、自分に最もあったニッチを見つけるという形でもたらされるかもしれません。
自らの強みが光り、困難が最小化されるようなニッチを見つけること。
ADHDのある人は、すばやく変化する状況、複雑多岐な状況、想像力や常識にとらわれない思考が報われる状況で成功しやすいようです。
コメディアンや探偵、起業家、ジャーナリスト、俳優、救急医療技師や写真家などが良いかもしれません。

しかし、私は自閉症ADHDとともに生きることがたやすいことだなどと言いたいのではありません。
そして、神経発達に起因する体調の問題や障害、違いによって引き起こされる現実の苦しみを軽視しようなどとは決して思っていません。
それでもなお、この現代は、世界が脳の違いの美しさと価値を発見していく時代でもあるのです。

生物多様性が生命一般にとって極めて重要なのと同じように、ニューロダイバーシティ(神経多様性)もヒトの種にとってあらゆる面で重要なのです。
私の思い描く未来は、ニューロダイバーシティに寛容でありかつ受け入れる社会であり、そこでは違いはヒトにより深さと広がりをもたらすものとして祝われるようになるというものです。
私は、脳の配線が異なっている子どもたちに、他の人達の「普通」という考えに合わせるのではなく、自分自身のニッチを見つけることが応援されるようになってほしいと願います。
多様性とはあらゆる意味で私達の世界をより良い場所にするものであり、異なる考え方をする人たちこそがその中で大きな部分なのです。